なかなか治らない肩こりの原因は背骨にあった?
結論から先に書くと、なかなか治らない肩こりの原因は「背骨、特に胸椎の動きの悪さ」にあることが多いです。
もちろん例外はありますが、肩周りの筋肉を緩めたり、姿勢を整えるなどの基本的なアプローチをしても肩こりが良くならないケースでも胸椎の動きを改善させることでコリを解消することができます。
ではなぜその部分が大事なのか?
その理由について一般的な肩こりと比較して解説していきますね。
日本人がよく言う「いわゆる肩こり」ですが、大まかに首の後ろから肩甲骨の上部や内側の筋肉の張り感の事を指すことが多いです。
この場合の肩こりには様々な要因がありますが、多くの場合以下のような原因を想定します。
肩こりで最も多いのが悪い姿勢や生活習慣が原因となって引き起こされるもの。
普段何気なく繰り返している動作や姿勢がコリの原因になっているため、それを解消しない限りいくら筋肉をほぐしても良くなりません。
マッサージなどで、その場ではスッキリするけどしばらくすると元に戻るという方に多い原因です。
治療方法としては、姿勢矯正のための施術やトレーニング、問題になっている習慣の見直しなどを行います。
次に多いのが運動不足や冷えが引き金となって起こるもの。
冷えや運動不足があると筋肉内の血流が悪化するため、血中に老廃物が溜まり筋肉の硬結を引き起こします。
このケースはお風呂など体を温めた後は割と調子が良いという方に多い傾向があります。
治療方法としては、肩周囲の筋肉を動かす体操や、全身の体温を高める様な有酸素運動を提案したりします。
肩コリを感じている方は、肩コリがない方に比べてストレスを感じている人が多い*1という報告があります。
これは心理的ストレスを受けることで、交感神経系が優位に働くため、血管が収縮し血行が悪化することが要因と考えられます。
この場合、交感神経の影響は肩だけでなく全身に影響が出るため、肩以外の腰や足などにもコリや痛みが出てきやすくなります。
このケースでは、専門の機関に相談したり、睡眠や食事といった生活リズムを整えることを提案します。
この様に要因ごとに問題点に対してアプローチしていくのですが、中にはなかなか解消できない肩こりもあります。
そういったケースの場合は「胸椎」に一度目を向けてみてください。
胸椎は頸椎に続いて背骨を形成する骨で、首の付け根から肋骨の下の高さまであり、主に体を捻る回旋の動きに関わってきます。
研究においても胸椎可動域の改善は、首と肩の硬さの有意な改善が見られる*2と言われています。
ではなぜ肩こりの原因が胸椎にあるのか解説していきましょう。
デスクワークや立ち仕事など、手を前に出して作業をする様な場合、胸椎はほとんど動くことはなく同じ姿勢を維持したままになります。
すると徐々に胸椎の動きが悪くなっていき、胸椎に間接的に繋がっている肩甲骨や鎖骨、上腕骨の動きも悪くなるため肩コリの原因になってしまいます。
胸椎の動きが悪くなると呼吸をする際に、通常よりも強く筋肉を働かせて行う必要が出てきます。
つまり常に頑張って呼吸をしている状態ですね。
こういった呼吸状態だと交感神経が優位に切り替わるため、血管が収縮し血流が悪くなります。
その結果、さらに肩コリが悪化しやすくなってしまうのです。
ではどうすれば胸椎の動きを良くできるのでしょうか?
胸椎の柔軟性を高める方法をいくつかご紹介します。
胸椎の硬さは周囲の筋肉や皮膚といった軟部組織が引き起こしています。
そのため、蒸しタオルやカイロを肩甲骨や背骨周りの筋肉にあてて温めることで血流が良くなることで、胸椎の動きがよくなったりします。
肩や背骨の柔軟性を高め、血行を良くするためにストレッチは有効です。
コリを感じるときに、腕を大きく回し背中の肩甲骨を大きく動かすようなストレッチや、か体の回旋を入れる様なストレッチが
しかし、痛みがひどいときは逆効果になる恐れもありますので注意しましょう。
背骨は細かい関節がいくつもあり、一つ一つの関節を自分で意識して動かすことはできません。
そのためストレッチだけでは十分に動かせない関節も出てきます。
そこで専門の整骨院や整体院で施術を受けることで背骨の1つ1つを関節を動かして柔軟性を高めることが可能です。
ただ背骨の関節は非常に小さく強い力で施術をすると痛めてしまうこともあります。
そのため正しい知識と技術を持った院を選ぶ様に心がけましょう。
今回はなかなか治らない肩こりの原因と解消方法について解説しました。
肩コリというと、肩甲骨、鎖骨、上腕骨などの肩関節まわりが着目されがちですが、胸椎の動きの悪さが原因になっている場合もあります。
もしあなたが長期間肩こりに悩んでいるのであれば、参考にされてください。
<参考文献>